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なんとかならないもんかね

アベノミクスの失敗。当面の挽回策は?

結局、アベノミクスは失敗している。
内閣府によれば、2015年4─6月期国民所得統計1次速報では、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.4%、年率換算マイナス1.6%である。消費も輸出も悪化したためだ。

安倍首相は、ここ2年の春闘で賃上げの流れをつくるためのパフォーマンスをしてみせたが、所詮、財界が許す範疇のものでしかなく、一部大企業の正社員層が名目で2%程度のプラスとなる程度だった。未組織労働者の受け皿である中小零細企業でみれば賃金上昇は1%にもいたらず、3%を超える物価上昇にのみこまれて、賃金の変動率は実質マイナスとなっている。財布のひもが緩むはずがない。
最大の政策ミスは、消費税増税だ。中小零細は赤字でも増税を強いられ、賃金に回す減資を奪われた。多くの批判を聞かずに踏み込んだ結果、当然のように、経済に打撃を与えた。

消費刺激策が必要だ。
今後の消費税増税プランを凍結し、大企業に対する優遇税制をやめ、韓国のように内部留保課税にあたるものを創設するなどして、格差是正の方向で富の再配分をはかること。
社会保険料の負担率に累進性を入れ、大企業と中小零細企業に差を設けること。中小企業の社会保険負担率を下げ、その分を大企業からまわして、中小企業労働者への社会保障給付は大企業労働者と同じにする。労働者の7割を占める中小企業労働者の効果負担削減で可処分所得を上昇させる必要がある。
同時に、低賃金労働者を増やす労働者派遣法「改正」法案を廃案にすること。残業代不払いを合法化する労基法改悪を断念すること。最低賃金を2020年までに1000円にするという2010年の雇用戦略対話合意を推進するプランを進めること。

要するに、賃金が下がる安倍雇用改革を断念し、賃金上昇の手立てをうち、かつ、中小企業経営の負担を軽くする。そのための財源を、金余りの大企業からもってくるということだ。

併せて、安保関連法案を取り下げ、安保法制特委をとじて、残りの国会会期で経済対策と所得改善、働き方改善、社会保障財源の見直しについての政策論議をするべきだ。安倍首相は、民意を得るためのアベノミクスに失敗した今、個人的な悲願を強行せず、国民経済の立て直しに向けて方針転換をはかるよう、決断すべき。それができないなら、退陣せよ。

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[東京 17日 ロイター] - 内閣府が17日発表した2015年4─6月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.4%、年率換算でマイナス1.6%だった。消費や輸出といった内外需が大幅に悪化したことが主因。事前の民間予測ほどに悪化しなかったものの、当初プラスが見込まれていた景気の姿は実現せず、増税後1年たってもデフレマインドの払しょくに至っていない姿が浮き彫りとなった。

1─3月期の年率プラス4.5%の高成長に続いて4─6月期も民間調査機関では前月上旬まで2%程度のプラス成長を予測していた。増税後の反動減から1年たって安定的成長を確保するとみられていた。しかしその後の経済指標は弱い結果が相次ぎ、結局蓋を開けてみるとマイナス成長となった。

全体の足を引っ張ったのは民間最終消費と輸出だった。

民間最終消費は前期比マイナス0.8%。昨年7─9月期以降プラス成長を継続してきたが、消費税増税後1年が経過して再びマイナスとなった。マイナスは2014年4─6月期以来、4四半期ぶり。エアコンや衣類などが減少、天候不順が消費の足を引っ張った。4月の軽自動車増税の影響で自動車販売が低迷したことも影響した。名目値の雇用や賃金環境は悪くないが、内閣府幹部は物価の上昇に所得が追い付いてないために、マインドが弱く、消費に回っていないと分析している。

輸出も中国の景気減速などを背景に前期比マイナス4.4%と大幅に減少した。減少は6期ぶり。電子通信機器や金属工作機械などが減少した。地域別でも米国・欧州・アジア向けすべてで減少した。内需不振で落ち込んだ輸入の減少幅を上回り、外需の寄与度は2四半期連続でマイナスとなり、景気を押し下げた。


4─6月期実質GDPは年率‐1.6%、3四半期ぶりマイナス成長=内閣府© REUTERS 4─6月期実質GDPは年率‐1.6%、3四半期ぶりマイナス成長=内閣府
民間設備投資も前期比マイナス0.1%と3四半期ぶりの減少。前期の高い伸びの反動もあったもよう。工作機械や自動車関連が減少に寄与した。

消費、輸出、設備投資の民間需要3本柱が軒並み悪化した。

他方で、公的資本形成は前期比プラス2.6%と高い伸びとなった。

実質GDPがマイナスとなった一方で、名目GDPは前期比プラス0.0%となった。3四半期連続のプラス。デフレーターが前年比1.6%上昇、前期比でもプラス0.4%となった。ただ、いずれも前期比よりプラス幅を縮小させた。

15年度の政府成長見通しはプラス1.5%だが、4─6月期が大幅マイナス成長となったことで、景気が回復局面とは言いづらいとの声も浮上している。
by tomzoy | 2015-08-17 11:19
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