橋下徹氏は、大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC:咲洲さきしま庁舎)購入という誤った判断(府議会は反対)も強行している。 購入金額は85億円。しかし、3.11東日本大震災のとき、大阪は震度3にとどまったにもかかわらず、新庁舎はエレベーター全26基が緊急停止し、4基は5時間近く動かず、エレベーターのワイヤロープが絡まり12日夜時点でも8基が復旧しない状態となった。 橋下知事は府庁舎の全面移転は断念し、部分移転をするとしたが、耐震工事には130億円かかり、さらに今後の維持費をみつもると30年間で1200億円にのぼるという試算がでている。大阪府に黒字を、どころか、アクセスが悪く管理に莫大なお金がかかる荷物を背負い込んで赤字の原因をつくったといえる。 ・・・ 公共サービスの水準をさげ、庶民負担を増やすための財政カットを行い、効果的な産業振興は行わなかったために、橋下府政のもとで税収は4000億円も減った。 言葉で商売をする弁護士あがりでタレント業を営むだけあり、口は達者。「独裁者」と批判をされれば、今の日本には独裁といえるほどのリーダーシップが必要と、大衆受けのする言葉に転換できる。政治屋の素質はあるのだろう。そして、なぜかはからくりはよくわからないが、マスコミは彼の問題点は報道せず、彼が自らを見せたいように報道してあげている。大阪の人々の多くは、今でも橋下氏が知事として府財政を黒字にしたと信じているとも聞く。 12月21日、橋下大阪市長は2泊3日で永田町を訪問した。多くの政党は彼を歓待した。「我々も大阪都構想を検討させていただく」(谷垣自民党総裁)、「今回の選挙結果に市民、府民の大阪再生への期待を実感している。基本的に賛同しながらバックアップしたい」(山口公明党代表)など協調路線をとった。民主党の前原政調会長は19日の会談の際、橋下氏の新著を持ち出して検討ぶりをアピールしてみせたらしい。みんなの党は、政策について橋下氏と協力関係にある。選挙に勝利した橋下氏に、各政党は低姿勢だ。 橋下氏と波長の合う暴君の東の雄、石原都知事との会談は、都政の悪化を予感させるものとなった。教育の改悪・右傾化や公務員バッシング強化の方針を、互いに褒めたたえあい、気勢をあげたようである。 橋下氏は政治とは、国民のため、国家のためなどではなく、個人の権力欲を満たす最高の手段だという。 政治屋の本音かもしれないが、それをあからさまに語って実践してしまう人物が、批判されるどころか人々の支持を得てしまう時代が来ている。おそろしいことだ。 大阪市長選に橋下徹氏が勝利。大阪府知事選も、「維新の会」が勝利した。
大阪市民は選挙をどうみていたのだろう。従来の庶民に冷たい市政を継続するか、もっと乱暴なハシズム市政に託するか。溜息しかでない選択だと私には思えるが、投票結果をみると、橋下氏は大勝したとまではいえず、市民の対応は割れた。ただ、橋下氏を選択した市民の方が多かった。 時代のキーワードは「閉塞感」らしい。大阪では、中小企業のまちが、地盤沈下を起こしている。このままでは、浮かびあがれない。なにか、大胆なコトをやってほしい。そんな気分が、橋下氏支持となったと考えられている。 大阪都構想で、大阪市にはどんどんと投資が呼びこまれて地域の産業は活況を呈する!・・・と、橋下支持の人々は期待しているのだろうか。彼が大阪府知事時代にやってきたことと、その結末をみてみれば、期待は、まず裏切られること間違いなしといえるのに。 大阪府は破たん寸前!といって乗り込んだ橋下氏が宣言したことは、財政赤字の削減と大阪経済の活性化だった。就任からの3年8ヶ月、支出の削減は容赦なくやったといえる。 ■教育関連費の削減 ・府立高校教務事務補助員等の雇い止め。年収約120万円の非正規職員348人が08年度末で雇い止めとなった(4億4千万円。なお雇止め撤回を求めた労働組合の交渉の場で、経費問題で対比された御堂筋イルミネーション関連事業費には3億2千万弱かけている) ・1年有期雇用の非正規教員(「定数内」講師)の急増。07年大田府政時代の4206人(9・2%)から10年には5780人(12・3%)に 。 ・私学経常費助成の大幅削減。 11年度は小学校50%、中学校35%と削減幅を拡大。高校は10%削減。小学校への1人当たり助成額は11万5千円で全国最低レベル(国標準30万円)になった。 ・学校警備員補助の廃止。09年度は交付金化(5億円)、11年度からゼロ。「子どもの安全は府の仕事ではない。市町村の仕事」(橋下知事10年9月議会答弁)。府の補助廃止に伴い2011年度は9市町村が廃止。 ・府立高校統廃合の促進。「3年続けて定員割れの学校は廃校」(教育基本条例案) ■福祉・医療関連費の削減 ・国民健康保険料低減のために市町村が行っている法定外繰り入れの府負担分を削減。07年度19億2200万円から10年度は約11億5400万円に。1世帯2万円の値上げの可能性。「国保への府単独補助は府がやることではない」(橋下知事)。 ・街かどデイハウス補助金の削減。09年度から基本補助の上限600万を300万円に。補助金交付額は07年度4億6172万円から10年度は1億4058万円に。街かどデイハウス数は07年度127から10年度110 に。対象市町数は07年度28から10年度24に減少。 ・高齢者住宅改造助成と見守り訪問を廃止。住宅改造助成は09年から、見守り訪問は11年度から廃止。04年度には1173件(4億3900万円)の実績だった。 ・障害者・福祉団体への補助金を廃止。団体運営費補助は07年度8団体1235万円から09年度以降0。施設運営補助は07年度3団体3283万円から11年度1団体794万円。 ・救命救急センターの補助金削減。千里救命救急センターは3億5千万円を0に。 ・公害患者死亡見舞金を廃止。09年度から廃止。認定患者数は約1万4千人(08年に288人:1440万円) ・障害者ガイドヘルパー派遣事業補助金を廃止。11年度からゼロに(07年度は5029万円) 。 ・障害者福祉作業所、小規模通所授産施設への補助金を削減。 「障がい者福祉作業所運営助成費」の新規分への補助は10年度限りで廃止(約2億3千万円。既補助決定分は継続)。 ・「障がい福祉施設機能強化推進事業費(授産施設)」は府単独事業だったが10年で廃止。1億2247万2千円 。 ・「小規模通所授産施設機能強化支援事業」は府と市町村折半の事業だったが府は10年で廃止。81施設に4212万円だったゼロに。 ・府の補助金対象となっている障害者福祉作業所・小規模通所授産施は07年4月1日282施設が11年4月1日72施設に激減。 ・軽費老人ホーム(ケアハウス含む)運営助成費を改悪 。 ・老人福祉施設運営助成費を算定する際の「民間施設等職員給与改善費」(職員の勤続年数に応じて設定)を段階的に廃止。11年度は11年度所要額の1/3減、12年度は11年所要額の2/3減、13年度で全廃。 ・福祉医療(通院・入院とも1回500円)の改悪を計画 。重度障害者・児(1・2級、64歳までの精神障害者は対象外)、ひとり親家庭(18歳まで)、子ども(通所0~2才、入院0~6才) 。 ■住宅施策を改悪 ・家賃減免制度を改悪。09年度4月から改悪。08年度と10年度を比べると、減免世帯1594減、減免金額9億5千万円減、一方で収納額は9億3千万円増。 ■中央企業対策費の削減 ・中小企業振興費を40%に 。07年度5億円から10年度2億円(決算ベース) に。 ・商業振興費を22%に 。07年度17億1千万円から10年度3億7千万円(決算ベース) に。 ・中小企業セーフティネット融資の預託金削減。10年度5899億円が11年度予算4985億円、変動金利へ。 預託額(1年限り)をあと1364億円上積みすれば1.4%固定金利が継続できたのだが。 ■農業費の削減 ・07年度191億円から10年度93億円。1/2 に。 ■水産業費の削減 ・07年度9億8千万円から10年度4億4千万円 に。 ■環境農林水産総合研究所・産業技術総合研究所の独立行政法人化 ■文化施設費の削減(図書館統廃合) ・青少年会館を廃止、跡地を長谷工に売却 。相続税路線価40万円/?uの土地を32万円/?uで売却。 ・センチュリー交響楽団補助金を廃止。07年度4億1864万円から09年度1億1千万円に、11年度廃止。 ・国際児童文学館(吹田市)を閉館。 ・府立中央図書館(東大阪市)に移転、非常勤専門員はゼロに 。 ・ピースおおさか(戦争と平和に関する資料収集・保存・展示。セミナー・講演会開催)への補助金削減。07年度9703万円から09年度3740万円。府職員は必要最小限、特別展、企画事業への補助廃止。 ・ドーンセンター(府立男女共同参画・青少年センター)機能を縮小。DV等に悩む女性のための法律相談、女性医師によるからだの相談の廃止(5869件)など。 ・青少年野外活動センターと府民牧場を廃止。府民牧場利用者は年約16万2千人(来年4月から廃止) 。 ■地震関連11事業の6割を廃止 ・07年97億7千万円から11年40億1千万円(当初予算ベース)に。 ・公立高校耐震化率66.7%(全国77.7%、11年4月1日現在。 ・橋りょうの耐震化率は「地震防災アクションプログラム」対象393橋りょうで69・0%(10年度末)。 ■密集住宅市外地整備補助金の削減 ・居住環境改善、防災性向上のための市町村補助。07年度3億1271万円から1億5千万円 に。 ・・・・ こうして府民生活に必要な支出の削減は、大胆に切り込んできたが、結果的に黒字にはならず、むしろ財政赤字は膨らんだ。この赤字決算にかかわっては、ちょっと事態が紛糾した。当初、「黒字達成」と発表したのち、「赤字」を告白することになったのだ。ようするに、減収補填債と、行政改革推進債を発行して得た歳入を「収入」として計上していたのだが、大阪市・平松前市長にケンカを売ったところ、足元の矛盾をつかれて、ゴマカシがばれてしまったという顛末らしい。しかし、転んでもただではおきない橋下氏は、その責任を「ボクにはわからない粉飾決算をやってきた。会計制度をかえるべき。総務省にも考え方をかえろという」などと責任転嫁をした。 財政カットをしても赤字になった背景は何か。不況は大きいがそれだけではない。橋下氏は、カジノ特区をつくるとか、リニアを関空から走らせるとか、広域行政にしてカネをまとめて大規模再開発をするとか、実効性の乏しい夢をぶちあげるばかりで、地場産業の実態から至急行うべき地道な地域振興策の手は打たなかった。 「中小企業のまち」という特徴をもつ地域であるにもかかわらず、中小向けのものづくり支援予算は07年度より44%削減、商業振興費は5分の1に大幅削減した。2010年に発表した「財政構造改革プラン」では、中小業者の営業を下支えしてきた斡旋制度への支援を大幅に削減する方針も打ち出した。 一方で、大企業に対しては大盤振る舞いをした。固定資産税の減免やインフラ整備などに助成を実施し、4年間で200億を超える税金をつかった。しかし、その税金支出は「新規雇用にほぼ効果なし」と大阪府自らも波及効果がないこと認める結果となった。 (その2へ続く) 福島の友人と話をした。
震災から7月以上たってなお、というか、ますます、生活の先行き見通しがつかない苦しい状況について、話をしてくれた。出張で東京にやってきた彼は、線量計をもっていて、「やっぱり、値が低いね。やっと安心して深呼吸できる」と話した。車通りも多い、日比谷の街中なのに。 被災地の復興にからんで、自治体の首長の意向が、福島と宮城と岩手でけっこうちがうという話をしていたのだが、その中で彼が、「話はかわるけど・・・首長といえば、どうしても石原知事だけは許せない」と話しだした。 「津波で我欲を洗い落とせ」「津波は天罰」という、被災直後の都知事の話を覚えているのだ。 あらためて、ネットをさばくってみた。 3月14日。石原慎太郎知事は、東日本大震災への国民の対応について記者団に問われ、こう話していた。 「我欲で縛られた政治もポピュリズムでやっている。 それを一気に押し流す。 津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。 積年にたまった日本人のあかをね。 やっぱり天罰だと思う。 被災者の方々はかわいそうですよ」。 前段の話と、最後の被災者は可哀想というくだりの脈略はよくわからない。 きっと誤解を招く言い方をした、とか言い訳があるのだろうが、こういうことを言えてしまう人間、大震災を高みでながめてこんな言葉で論評してしまう人間が、今も公職についている。 こんな人物を都知事に選んでしまう人たちが多数いる街に暮らしていることが、とても気持ち悪い。 14日付けのニューヨーク・タイムズ紙にアメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェット氏(80)の寄稿が掲載された。政権に対し富裕層への増税を訴えている。
バフェット氏は、米誌フォーブスによる世界長者番付3位の大富豪。その彼が「政治リーダーは犠牲の分かち合いをと求めているが、私に対しては犠牲を免れさせてきた。私の友人達にも、どのような痛みを求められたかを聞いてみたが、同様だった。私たちは億万長者に優しい議会に甘やかされてきた」と話している。そして、「米政府は今こそ、犠牲の分かち合いについて真剣に考える時だ」と述べている。米連邦債務上限の引き上げなどで米国の財政問題に関心が集まるタイミングでの寄稿なだけに、注目度は高く、反響を呼んでいるそうだ。 バフェット氏は「貧困層と中間層がアフガニスタンで我々のために戦い、多くの米国民が生活を何とかやりくりしているときに、我々、超富裕層は桁外れの税優遇を受け続けている。投資会社のマネージャーたちは、日々何十億ドルも稼いでいるが、キャリード・インタレスト(成功報酬)に対する税率は15%にすぎない」「立法府は富裕層を西アメリカフクロウのような絶滅危惧種であるかのように保護しなければならないと考えている」「私が去年支払った所得税は$6,938,744だった。一見多額だが、私が得た所得の17.4%。この割合は、私のオフィスで働く他の20人の誰よりも低かった。他の人たちの税率は33%から41%、平均は36%だった」など、富裕層を優遇している税制の実態を暴露し、「非常に多くの国民が真に苦しんでいるときならなおさら、(富裕層の)多くも増税をいとわないのではないか」と語っている。 2012年の米大統領選挙では、財政問題や税制が大きな争点になるとみられる。共和党は財政赤字削減は歳出の削減を通じて行うべきだと主張。ブッシュ前政権が導入した富裕層減税措置について、オバマ大統領と民主党は打ち切りを主張しているが、共和党はこれを頑なに拒否している。 金持ち優遇の税制は日本も同じだ。バフェットのような発言をする富裕層が、日本にも登場してほしいものだ。 ※carried interest ヘッジファンド・マネージャーが受け取る成功報酬のこと。マネージャーが受け取る報酬には管理報酬と成功報酬の2種類あり、「管理報酬は預かり資産の2%、成功報酬は預かり資産の上昇幅から20%を徴収する」といった方式でヘッジファンドが受け取る。 アメリカでは、ヘッジファンドの報酬に対する税率は、管理報酬に対しては35%の法人税率が適用され、成功報酬には15%のキャピタルゲイン課税が適用される。キャリード・インタレストへの優遇措置は歴然としており、課税強化を目指したキャリード・インタレスト法案(通称:ブラックストーン法)の話題がしばしば議論の対象となっている。
朝日新聞で気にいったニュースを発見。大阪府和泉市では、松尾川の河川敷で、2頭の羊を放牧し、草刈りをしてもらっているそうな。羊の持ち主は大阪府で、2002年に「備品」枠で2頭を購入し、飼育費用の年間30万円を負担して、管理を内田町の町内会に委託しているとのこと。
2頭は柵に囲われた約1500平方メートルの河川敷で、毎日午前7時~午後5時まで草をはみ、以前は人の背丈ほどあった雑草を、ちょうどくるぶしが隠れる程度に保ってくれている。それにより、伸び放題の草むらの陰にしばしば捨てられていたごみや電化製品の不法投棄もなくなった。 2頭が食べる草の量は年11トンで、府が負担していた除草代(年125万円)やごみの撤去費(同30万円)が節約できたとのこと。 羊たちは、除草費用の節約だけでなく、地域住民の交流にも一役かう貴重な存在となっている。 ![]() ![]() ■労働組合やNPOによる被災地支援が活発化している。メディアは、現地の厳しい条件の中で、人々が耐えて頑張っている姿と、支援にはいった人々の活動を、読ませるストーリーで描いている。この社会も捨てたもんじゃないという思いをさせてくれる。が、一方でこれらの草の根の活動にだけ気をとらわれているのは危険だと感じる。
■震災復興の動きでは、財源問題が当然ながら重要となるが、民主党も、自民党も復興増税を狙っている。法人税は減税をやめる程度だが、所得税と消費税のダブル増税が、復興を口実にいっきに導入されかねない空気となっている。燃料なども高騰しているなか、電気料金の引き上げも狙われている(25日の与謝野経財相発言)。原発で全国民に大迷惑をかけ、無計画停電で不自由な生活を押し付け、そのうえ料金値上げである。菅直人首相は、25日の会見で「震災に伴う負担を社会全体、国全体が分かち合う姿勢で臨んでいく」と国民負担に言及している。 ■計画停電といえば、厚労省の対応はすばやかった。停電対応にともなう休業については、休業補償(労基法26条)はしなくていいという通達をさっとだした。それも、計画停電の時間だけ保障なしでいいというのでなく、総合的にみて合理性があれば通電中の時間を休業にしてしまっても賃金保障しなくていいとまで書いた。だれが合理性判断をするかといえば使用者だ。その裁量に行きすぎがあると、労働者が思うのであれば、労働基準監督署に申告せよというのだが、そんなことができる労働者がどれほどいるというのか。 ■さらなる、弱者切り捨ては、非正規労働者の首切りである。人材派遣協会は、国会議員をまわり、派遣切りの再来を止めてほしいと要請したが、派遣先企業は容赦なく派遣切りを進めている。また月給制でなく、時間給や日給で働いている労働者は、操業短縮がダイレクトに収入減となる。解雇しなくても、離れざるをえない状況に追い込まれる人もいるのだ。新卒者の内定取り消しも深刻。厚労省発表によれば、岩手、宮城両県のハローワークだけで約280人の学生が内定取り消し対象となっているという。菅首相は、「一に雇用、二に雇用……」と叫んだはずだが、今は原発にだけ関心があり、しかも原発制御もうまくいかず、首相のパフォーマンスが、現場に迷惑をかけていると国会で追求されている。 ■「菅政権は、天災の後の被害を最小限に抑えるという、肝心なことができていない。その結果、弱者に人災までもたらしているようにみえる。派遣切りはその一例です。被災地の復旧、復興に向けて今後もリーダーシップを発揮できなければ、社会的弱者はますます追い詰められていきますよ」これは、ゲンダイネットに掲載された法政大学の五十嵐仁教授のコメントだ。復興の御旗のもとで、増税と公共料金の引き上げが実施され、さらに雇用破壊まで進んだとしたら、今でさえ、痛んでいる国民生活は破たんするだろう。 ■被災地の状況をみてきた人から、こんな話を聞いた。「現地をみていると、この間進めてきた、自治体統廃合と公務員削減が間違った政策だったと感じる」と。基礎自治体を弱体化させたことは、復興の妨げとなっている。かつて町役場だったところが、広域の市の一支所となると配属される職員は3人程度。被災して1人しか生き残れなかった地域もある。そんな小さな支所の職員や学校の教員が避難所運営を担う事態となっているのだ。苛立った住民に詰め寄られる場面も重なり、職員は極めてストレスフルな状況におかれている。また、復興の取り組みでは、この間の過度の競争入札と単価削減で、地元中小建設業者が多数、廃業してしまっていることが問題となっている。被災地はともかく、近隣から重機と操縦者を寄せることが困難となっている。いずれも構造改革・規制緩和路線の誤りを証明する一例だ。 ■ところが、財界、民主党、自民党、それに関西広域連合の主要人物たちは、構造改革路線を反省するどころか、地域丸ごと被災した今こそ広域連合!という宣伝を強めている。国民生活の最低保障を強め、基礎自治体をしっかりさせるとすれば、本来、見直しされるべき地域主権改革関連法は、閣議決定された。震災をテコに、道州制をいっきに推進させ、国が基準設定するナショナルミニマムは低水準化させ、増税路線を敷き、農業に見切りをつけてTPP参加を前進させ(6月参加決定を延期したが)、非常事態には自衛隊しかないと軍備増強をし、米軍依存を強化する(空母はすぐ逃げて日本を守る気などないことが証明されたのに)。どうも、こうした方向に政治は流れているようである。政局をみても、その可能性は高い。政権延命をしたい菅首相・民主党と、敵失だらけなのに支持率が上がらない自民党は、震災復興を理由に大連立政権に合意をしていきそうな空気もあるからである。もともと、民主党と自民党は、庶民犠牲による規制緩和・構造改革路線をひた走ってきた仲間である。非常事態をテコに、「生活第一」とか「コンクリートより人」などといった、選挙向けメッセージはかなぐり捨て、大企業第一、庶民には負担増という政策的本性をあらわしそうである。 ■私たちは、労働者あるいは生活者の価値観と目線で、政府の妙な動きを監視し、要求(政策)をあげ、政治に突きつけていかなければならない。石原都知事がいう「戦時の連帯」だとか、非常事態の自粛なんてムードに浸っておとなしくしていると、復興どころか、さらに住みにくい、とんでもない国をつくってしまうだろう。 地方公共団体の議会の議員、首長の人数は、どのくらいなんでしょうか。
総務省の調査(平成21年12月31日現在)をみてみました。 1 地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調 (1)都道府県知事 47人 無所属が46人(97.9%)。1人だけ自民党。女性知事は北海道知事、山形県知事、滋賀県知事の3人しかいません。 (2)都道府県議会議員 2,784人 自民党が最も多く1,277人(47.2%)。半数近いんですね。次いで無所属が575人(21.2%)、民主党429人(15.8%)、公明党208人(7.7%)、日本共産党114人(4.2%)、社会民主党59人(2.2%)、国民新党1人(0.0%)となっています。なお、女性の議員数は220人。わずか8.1%です。 (3)市長783人、特別区長23人、町村長989人 計1,795人 こちらは、全員が無所属です。となっています。 なお、女性の市区長は、宮城県仙台市長、茨城県常総市長、埼玉県所沢市長、千葉県白井市長、東京都新宿区長、東京都足立区長、東京都三鷹市長、東京都多摩市長、神奈川県横浜市長、神奈川県平塚市長、神奈川県伊勢原市長、新潟県魚沼市長、京都府木津川市長、兵庫県尼崎市長、兵庫県宝塚市長、岡山県倉敷市長、山口県宇部市長、長崎県五島市長及び沖縄県沖縄市長の19人。 女性の町村長は、北海道東神楽町長、栃木県野木町長、埼玉県越生町長、埼玉県大利根町長、京都府与謝野町長、兵庫県播磨町長及び福岡県苅田町長の7人です。 (4)市議20,684人、特別区議913人、町村議13,085人、計34,682人 無所属が24,994人(73.1%)を占め、次いで日本共産党の2,912人(8.5%)、公明党2,800人(8.2%)、自民党1,771人(5.2%)、民主党1,105人(3.2%)、社民党391人(1.1%)、国民新党の3人(0.0%)、新党大地3人(0.0%)、みんなの党1人(0.0%)。 なお、女性の議員数は3,796人(11.1%)です。 資料出所:総務省自治行政局選挙部管理課 OECDの統計から、賃金の国際比較をしてみたものです。
日本の場合、1997年が平均賃金のピーク。それ以降、ずるずると下落しています。 2004~2007年初めまでは、たしか、いざなぎ景気を超える景気回復局面にあったとか、政府はいっていましたが、その効果も賃金には波及せず。そして、2007年、アメリカのサブプライム・ローンの焦げ付きがはじまるあたりから雲行きがあやしくなって、2008年のリーマン・ブラザーズの倒産ショックで、世界同時不況。 ・・・というわけですが。 諸外国の賃金の推移をみると、下がっているのは日本だけ。 勢いのある、開発途上国だけでなく、先進諸国も賃金は上昇しています。世界的金融不況の時期ですら、先進諸国も賃金は上昇しています。 ![]() これは、日本の賃金が世界最高峰の水準で、諸外国が追いついてきた、というわけではありません。 為替レートと、購買力平価(いずれもUS$をベースに換算)で、平均賃金の水準を比較しても、日本はちっとも高くはない。日本の内需不況が深刻な理由は、企業が利益を吸い上げて、賃金(家計部門)にまわさずに、海外投資や投機ばかりしているからではないでしょうか。 ![]()
選挙戦で消費税が政策の焦点となりはじめた。
私たちは、政治リーダーが本音を隠して選挙に入り、選挙後だまし討ちされなくて、よかったと考えるべきだ。菅首相が、真っ向勝負で本音をだしたことは潔いと思う。 ただし、菅首相の政策勝負の方向性は、まったくもって、間違っている。 政府の6月の経済報告によれば、企業収益は改善し、景気について「回復」の一歩手前という表現が久しぶりに書きこまれる状況になっている。 しかし、国内の景気は冷え込んだまま。その主な要因は、賃金低下と失業・雇用不安が重り、人々が財布を固く締めているからだ。 短命だった鳩山前首相時代の民主党政権の政策基調であった「家計支援で個人消費の拡大をはかる」。これは正しく、かつ、重要だった。政治が庶民生活にプラスの政策をとるのでは、という期待は強かったし、それが消費マインドを(可処分所得は下がったままだが)刺激しつつあった。 輸出主導で産業に仕事がまわりはじめ、さぁ、これからというところにきたが、そこで、普天間基地問題と政治とカネ問題で首相のクビのすげかえとなった。 同時に、「個人消費重視策」もどこへいったのかわからなくなった。 と、そこに突然、消費税増税+法人税減税論だ。 つまり、民主党は、家計支援で個人消費拡大をという基調方針を棄て、大企業優遇策で、大企業の国際競争力を増すという自民・公明時代のサプライサイド政策に戻ってしまったのだ。 今のタイミングで、消費税増税をしたら、どうなるか。 底打ちしかけた景気の芽は、確実につぶれる。 さらなる内需不況に突入し、地域密着型の業種、中小零細の倒産・廃業があいつぎ、失業がまたぞろ増えるだろう。 日本経済を、さらに長期の不況に突入させる過ちを、民主党政権はおかそうとしている。
中国で労働争議が頻発しています。
広東省の日系自動車部品メーカーで賃上げ要求ストライキが相次いで発生し、現地のトヨタ、ホンダの完成車工場が部品不足で操業停止と。 トヨタの「カンバン方式」の最大の弱点である、「在庫をもたないこと」を突いた、なかなかの戦術・・・とおもったら、戦術的に練られて、そうしているようでもなさそうですね。 ストをやっているのは、地方から工業地帯に出稼ぎにきている未組織の農民工。 唯一の労働組合、中華全国総工会は、ストにかかわっていません。 農民工たちが、自分たちのワーキングプアぶりに不満をもち、他の工場のニュースを携帯電話で調べて、この工場の賃金は安すぎる!と怒って、仲間と相談し、自主的にストを決行しているみたいですね。がんばっているなぁ。 農民工の不満が、大規模な社会不安につながりかねないと、危機感をつのらせている政府は、2つ対策を進めています。 ひとつは、最賃。すでに2月、最低賃金を12~21%と、大幅に引き上げています。 中国の最賃は、全国一律ではなく、地域別設定で、国が一方的に決めます。 最高の一類基準が適用される広州市は19.8%増しで1030元/月となったそうです。 1人民元(CNY)=13.59円(6月4日現在)で計算すると、13,997円?。為替レート換算では日本の10分の1ですが、購買力平価だと、どうなるのでしょうか(今後の課題)。 政府のもうひとつの対策は、中華全国総工会による組織化のようです。 外資系企業では労組がないところも多く、そこで自主的な労働運動がおきています。だから、労組をつくって、紛争をおこさずに、労使協議で解決するように、という指示をだしているようです。 ただし、中国では中華全国総工会しか労働組合は認められていません。 国=中国共産党=企業経営者が一体となった御用組合で、賃上げ要求などできないということも、言われているようです。日本にも、そういう組合はたくさんありますが。 こうした、官製労働団体に対し、現地では、労働者の自主的な運動で賃上げを勝ち取っていることに自信をもつ労働者たちが増えているようです。 こうなると、心配なのは、弾圧です。政府が強権発動しなければ、よいのですが。今は、世界の目が中国に集まっていますから、そこをちゃんと意識して、低すぎる賃金・労働条件を改善していってもらいたいものです。 もうひとつ、心配なのは、日本の財界が、悪知恵をいれることです。 現地の日本人経営者たちは、中国の企業内組合は、日本と似ている、と言っています。 ストはさせずに、高い水準の要求をかかげた労働者ははじきだす。様々な懐柔と弾圧、分断の手練手管をつかって、労使協議で交渉事をうまくまとめあげて、紛争を表ざたにしない。 こうした、日本の春季労使交渉の仕組みを、中国でも取り入れたらどうかと、日本の財界から、提案する動きがでてきています。 G20に参加している菅直人首相が、27日、胡錦濤主席に「労働問題がいろいろ起こっていることを注視している」と内国干渉的な発言をしたのは、こうした動きが裏にあるからではないでしょうか。 胡主席は「適切に対処する」と答えた、ということだけしか伝わっていないので、両国首脳の意図するところは、明確にはわかりませんが。 日本的労使関係(労使協調型労組)を、アジアに輸出する作業は、中国以外のところでは、すでに相当やられています。中国は、安い労働力の供給地というだけでなく、市場としても重視されていますから、日本企業も撤退するつもりはない。であるなら、日本的労使関係を現地に移植して、うまくやっていこうというもくろみが、進められるのは間違いないでしょう。
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